エゾシカ
首都圏在住、野蛮人の友だちが北海道にエゾシカを撃ちに行くと聞いた。すかさずワタクシは「立派な角をもったおじいちゃんじゃなく、かわいいバンビも撃ってね」とお願いした。とかくテッポ撃ちは大物を仕留めて自慢したがるものだが、食材として評価すれば年をとった大物よりも若い方がおいしいに決まっている。マトンよりラムというように、子どもの肉の方が柔らかいからね。
さてその野蛮人は何頭仕留めたかは分かりませんが「コニシの野郎、面倒な注文しやがって」と見事バンビも仕留めたようでございます。「まだ角が短くて発情前だから、お兄さんバンビだな」と野蛮人。かわいそうに、お兄さんバンビは一度もメスと合体することなく、あの世に旅だった。
首都圏のライフルを撃つ野蛮人たちは金と暇にあかせて射撃場に通うので射撃が上手。だからバンビ君は一発で首を撃ち抜かれ(ネックショットと言うらしい)、苦しむことなく旅だったのはよかった。
昨日。北海道直送、お兄さんバンビの肉半頭分が我が家に届いた。首を撃ち抜いているので、肉はまったく傷んでいない。しかも骨をきれいに外している。ありがとう野蛮人さん。この作業が大変なんだよね。
さっそく夕飯でステーキとシチューにしていただいた。さすがバンビ。肉は秋田弁でいうところの「しね」ぐはなかった。「しね」とは「噛み切れないほど筋っぽい」というニュアンス。これだったら、いろんな料理に使えそうだ。
約10キロの肉の塊はビンボ人にとって嬉しい贈り物だ。友だちにも分け、残りは冷凍庫に直行。金がない時はバンビの肉が我が家にとって貴重なタンパク源になりそうだ。ありがとう、首都圏の野蛮人さん。お礼にカモを飛ばしてやるからね。